Webのアクセシビリティに関して、より具体的な知識を身に付けるには、まず、HTMLやCSSについての正しい知識を得ること が、その第一歩であると考えます。 ここで言う「正しい知識」とは、仕様に準拠した本来の使い方を理解しておく ということです。 それらを正しく理解することにより、Web制作におけるアクセシビリティを考える際、大きな手助けになると思われます。
ここでは、HTMLやCSSについての正しい知識を得るために役立つリファレンス本、さらに、Webのアクセシビリティについて、より深い知識を身に付けるために役立つ本などをご紹介します。
ご紹介するにあたって、読者の方々の知識等の度合いによって、以下の4つの分類に分けて紹介をさせていただきました。
- 1. 初級者向けの本
- これからWeb制作を始める方、あるいは始めたばかりの方向け。
- 2. 中級者向けの本
- Webページ作成ソフトなどを使わずにHTMLソースを記述することが出来る、またはそれに近い方。
- 3. 上級者向けの本
- Web制作のお仕事をされている方など。
- 4. その他 読み物など
- 技術的な解説よりも、どちらかというとその全体像について書かれたものなど。
【 補足と注意事項 】
- 本の価格は、書籍本体に定価として記載されている金額をもとに掲載しています。
販売業者によっては、実売価格が定価と異なる場合がありますので、ご注意下さい。
- のマークが付いているものは、筆者が個人的にお勧めする本です。
(おすすめマークの有無やコメント及び分類等は、あくまで筆者の私的な評価によるものですので、ご了承下さい。)
初級者向けの本
- ■ できるホームページHTML入門
- 著者: 佐藤和人,できるシリーズ編集部 / 出版社: インプレス
定価: 本体 1,580円 (税込 1,659円) / ISBN: 4844319302
- ◆ 完全初心者向けの入門書としては、この本をお勧めします。 「パソコンやインターネットの使い方にもまだ慣れてはいないけれど、とにかくWebサイトを作ってみたい。」という方には最適の一冊です。 一日もあれば読破可能と思われる内容ですので、次のステップとして、後述の「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」をお勧めします。
- ■ HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術
- 出版社: エクスナレッジ
定価: 本体 1,800円 (税込 1,890円) / ISBN: 4767802504
- ◆ HTMLとスタイルシートを用いたWebページの作り方をわかりやすく解説しています。 これからWebサイトを作り始めるという初心者の方、最近作り始めたという方、あるいは「HTMLは何となくわかるが、スタイルシートの使うのは初めて」という方にはお勧めです。
- ■ プチリファレンスHTML
- 著者: 大藤 幹 / 出版社: 秀和システム
定価: 本体 1,500円 (税込 1,575円) / ISBN: 4798003689
- ◆ HTMLとCSSの仕様の中からよく使うものを厳選して機能別に掲載しています。 わかりやすく初級者の方にはお勧めの一冊です。 (注意: 本書は品切れの場合が多いようです。 初級者の方でも「何となくHTMLやCSSの使い方がわかってきた」という方であれば、後述の「詳解 HTML&XHTML&CSS辞典」をお勧めします。)
- ■ スタイルシートサンプルブック
- 著者: 大藤 幹 / 出版社: ソシム
定価: 本体 1,900円 (税込 1,995円) / ISBN: 488337405X
- ◆ CSSに関する初級リファレンス本。 CSS2の主要なプロパティを中心に、実用的な範囲はほぼ網羅されています。 「HTMLの基礎は大体理解した」くらいの人がスタイルシートの本格的な学習を始めるのに最適の一冊です。
- ■ HTML/CSSラーニングドリル Skill up
- 著者: 大藤 幹 / 出版社: 毎日コミュニケーションズ
定価: 本体 2,400円 (税込 2,520円) / ISBN: 4839914524
- ◆ タイトルが示す通り、HTMLやCSSを“学習”するための本(問題集)。 どちらかと言うと、Web関係のお仕事を目指す方や学生さん向きでしょうか? HTMLとCSSの基礎を理解した人が、脱初級者を目指して取り組む学習書としては良い一冊です。
中級者向けの本
- ■ 詳解 HTML&XHTML&CSS辞典
- 著者: 大藤 幹 / 出版社: 秀和システム
定価: 本体 1,800円 (税込 1,890円) / ISBN: 4798010030
- ◆ HTMLとCSSの中級者向けリファレンスの決定版。 HTML4.01、XHTML、CSS2等について、用法、用例が仕様に則し丁寧に解説されています。 また、ブラウザの対応状況など必要な情報がわかりやすく整理されており、リファレンス本としては最高の一冊。 Web制作者には必携の書と言っても過言ではありません。
- ■ ユニバーサルHTML/XHTML
- 著者: 神崎正英 / 出版社: 毎日コミュニケーションズ
定価: 本体 2,200円 (税込 2,310円) / ISBN: 4839904545
- ◆ HTMLソースの書き方や用例を調べるためのリファレンス本ではありませんが、「Webページを作成するとはどういうことなのか?」という“考え方”についてまとめられた解説書です。 プロの方々をはじめ、ある程度の知識を習得した人には、是非一度読んでいただきたい一冊です。
- ■ ウェブ・ユーザビリティ&アクセシビリティ・ガイドライン
− 誰もが使いやすく、アクセスしやすいウェブサイトをデザインするための80の指針
- 著者: 石田優子 / 出版社: 毎日コミュニケーションズ
定価: 本体 2,500円 (税込 2,625円) / ISBN: 4839910251
- ◆ 使いやすいWebサイトをデザインする上でのポイントは何か? ユーザビリティとアクセシビリティの視点からそのポイントを明快かつ具体的に示しています。 アクセシビリティについて初めて学ぶ人にとっては、お勧めの一冊です。
- ■ ここから始めるWebアクセシビリティ − 誰もが使いやすいホームページの作り方
- 著者: 濱田英雄,小川祥子,榊原直樹,関根千佳 ユーディット / 出版社: ぎょうせい
定価: 本体 2,381円 (税込 2,500円) / ISBN: 4324071241
- ◆ アクセシブルなWebの制作方法、アクセシビリティを確かめる手段、また、ホームページビルダーのようなWebページ作成ソフトを使う際の注意点なども書かれています。 コンセプトとしては、前述の「ウェブ・ユーザビリティ&アクセシビリティ・ガイドライン」に近いでしょう。
- ■ スタイルシート スタイルブック
- 著者: 有坂陽子,長谷川恭久 / 出版社: 翔泳社
定価: 本体 2,200円 (税込 2,310円) / ISBN: 4798105856
- ◆ HTMLとCSSの本質について解説をしようとすると、どうしてもお堅い内容に始終してしまいがちですが、本書はあくまでライトな感覚でそれらの本質に迫ります。 中級者向けの本に分類しましたが、初級者の方でも、本書を一読し、あとは必要に応じて前述の「詳解 HTML&XHTML&CSS辞典」を開くようにすれば、自ずとテクニックが身に付くでしょう。
- ■ スタイルシート スタンダード・デザインガイド
− SEO/ユーザビリティ/アクセシビリティを考慮した実践的HTML&CSSデザイン術
- 著者: エ・ビスコム・テック・ラボ / 出版社: 毎日コミュニケーションズ
定価: 本体 2,600円 (税込 2,730円) / ISBN: 4839915016
- ◆ HTMLとCSSを使用したWebページデザインのテクニックを、いろいろなサンプルを通して解説しています。 タイトルにもあるように、アクセシビリティへ配慮のみならず、SEO(検索エンジン最適化)への効用についても解説がなされています。
- ■ XHTML+CSSで書くホームページ構造デザインガイド
- 著者: 大藤 幹 / 出版社: 秀和システム
定価: 本体 2,300円 (税込 2,415円) / ISBN: 4798008702
- ◆ XHTML+CSSによるWeb制作はどういうものか、その全体像と考え方がイメージできるように書かれた解説書。 (制作現場で頼れるようなリファレンス本の部類ではありません。) XHTMLの考え方を理解するためには良い本です。
上級者向けの本
- ■ WebアクセシビリティJIS規格完全ガイド
- 著者: アライド・ブレインズ / 編集: 安藤昌也 / 出版社: 日経BP社
定価: 本体 3,714円 (税込 3,900円) / ISBN: 4822214869
- ◆ Webアクセシビリティに関するJIS規格「ウェブコンテンツJIS (JIS X8341-3)」についての解説書。 JISの内容を整理し、説明を補う内容となっているので、JIS本文を読んだ上で本書を読むと、理解が増すでしょう。 企業等でサイト制作に携わるデザイナーの方やWeb担当者などの方には一読をお勧めします。
- ■ よくわかる ウェブ・アクセシビリティ&ユーザビリティ − 誰もが使いやすいウェブサイトへ
- 著者: 富士通(株)総合デザインセンター ,富士通オフィス機器 / 出版社: FOM出版
定価: 本体 2,000円 (税込 2,100円) / ISBN: 4893115510
- ◆ アクセシビリティについての解説は、「ウェブコンテンツJIS (JIS X8341-3)」に準拠しており、重要度の高い部分は ほぼ収録されているので、製作現場に一冊置いておくと便利かもしれません。 前述の「WebアクセシビリティJIS規格完全ガイド」が通読型の解説書であるのに対し、本書はどちらかと言うと製作現場で使える“リファレンス本”的な色が強いでしょう。 ただし、JISの全内容を完全収録し、解説しているわけではないので、注意が必要です。 また、ユーザビリティに関しては、一般的なことをざっと眺める程度の内容となっています。
その他 読み物など
- ■ 情報アクセシビリティ − やさしい情報社会へ向けて
- 著者: 庄司昌彦,関根千佳,榊原直樹 / 編集: C&C振興財団,山田肇
出版社: NTT出版 / 定価: 本体 3,200円 (税込 3,360円) / ISBN: 4757101511
- ◆ 「情報アクセシビリティとは何か?」「世界の動向は?」「企業はどう取り組むべきか?」など、情報アクセシビリティとユーザビリティに関して、グローバルな視点での考察がまとめられています。 (Web制作に関する技術解説書ではありません。)
- ■ 情報アクセシビリティとユニバーサルデザイン
− 誰もが情報にアクセスできる社会をめざして
- 著者: アクセシビリティ研究会 / 編集: C&C振興財団 / 出版社: アスキー
定価: 本体 2,800円 (税込 2,940円) / ISBN: 4756142656
- ◆ 高齢者、障害者が自由に情報を受発信できる社会を実現するためには、何をしなければならないか? 世界各国の現状を説明しながら日本の進む方向について解説しています。 (Web制作に関する技術解説書ではありません。)